小鼓の構造

 

現在舞台で使われている小鼓の胴はほとんどが室町から江戸期に作られた物でありそれ以降の名胴はほとんどありません。皮なども50年未満の皮は新皮といわれ道具は三代かけて作るといわれていますから新しい物はすぐには柔らかい音が出ません。

実際舞台で使う道具という物は見た目(蒔絵など)の良さよりも鳴るか鳴らないかということの方が重要なので作者など気にしていませんがよくなる胴は見た目もよく(全体のスタイル)良い蒔絵がついていると言うことがいえます。ですが蒔絵がいいからといって良い物だということはありません。全体には古作の胴は肉厚な物が多いようです。

小鼓は皮、胴、調べを組み合わせて組んであります。調子皮という物を皮の裏に張りおおかたの調整をします。実際に演奏するときはさらに調子紙を使ってその日の天候状態や会場にあわせて最終的な調整をします。

 

 

画像 名称 材料 説明
小鼓

(こつづみ)

下記の物 今実際に舞台で使っている小鼓です。「ポン」となることは多くの方がご存じかと思います。実際に使う音は[チ(甲)][タ(頭)][プ][ポ(乙)]のとあまり使わない[ツ]と言う音の五種類です。左手で持ち右肩に乗せ右手で打ちます。左手で調べを操作して音を変えます。現在小鼓は幸清(こうせい)、幸(こう)、大倉(おおくら)、観世(かんぜ)の四流有りますが全て調べの掛方、持ち方が違います。

革と胴は画像をクリックすると大きい画像の補足ページにゆきます。戻るのも画像でリンクしています。

表革全体の画像です。

(かわ)

鉄の輪

竹の皮

馬の皮

鉄の輪に竹の皮を巻き馬の皮を張り裏で縫い合わせた物の回りを漆で固めてあります。鉄の枠のすぐ内側を縫い合わせ綴じた所を千綴(せんとじ)と言います。

その内側に六個の穴を開けその回りも漆で固め補強してあります。花のような形に細工してあるので花形(はながた)と言います。

内側の黒い輪は十六(じゅうろく)と言い十六ヶ所糸で綴じてあります。その上を漆で固めてあります。

馬の革はその昔生れる前の革が使われていたという話を聞いたことがありますが現在は一歳から二歳の馬の皮です。

裏側は鼓の胴が当たる所以外は漆で固められていて金を貼ってあります。(必ずではありません)

表革の裏側です。
上のとは別の革です。
革と胴は画像をクリックすると大きい画像の補足ページにゆきます。戻るのも画像でリンクしています。

(どう)

桜材

桜の木をけづり出して外側に漆を塗ってあります。周りには蒔絵(まきえ)が描かれている物、漆のみの物、木地の物などがあります。上下の膨らんだ所を乳袋(ちぶくろ)といいます。

内側は補足ページの方でお見せします。

ここから下は大きい画像はありません。
調べ

(しらべ)

麻をよって朱に染めています。縦調べ(皮を胴に組むための調べ)と横調べ(音を調節して出すための調べ)の長短二本の調べを使います。

良い音を出すためには非常に重要な物で弾力が無くなったらすぐに取り替えます。

調子紙

(ちょうしがみ)

鼓の最終的な音の調整をするために使います。演奏のたびに唾液で湿らせ原則として裏革に張ります。(表革にも使用することがあります。)
小締め

(こじめ)

表革の小指側で横調べを動かないように止めるための物です。

組紐で30cmから40cm位の長さです。

大倉流では太くて赤い物を使います。(例外有り)

締緒

(しめお)

調子を見た(組んで調整した)鼓の横調べと平行に結びます。実際に打つときにははづして打ちます。

各流儀ごとに色が違います。舞台に出て打始める前に取りますので舞台鑑賞の機会に観察して下さい。

袱紗

(ふくさ)

特に演奏には関係ありませんがお道具(鼓)を包む物です。仕組んだ後楽屋内で持ち運ぶときはこれに包んで持ち運びます。

幸清流では写真のような色の物を使いますが他流は紫色の物を使っているようです。

色々 鼓を打つとき以外は袋に入れてしまいますが特に材質などに決りはないようです。